資料:働く人の健康(公益社団法人全国労働衛生団体連合会)
事業者には、働く人の健康障害を防止するという民事責任としての安全配慮義務もあります。
働く人の健康障害を防止するため、労働衛生の三管理、作業環境管理、作業管理、健康管理を適切に実施し、快適な職場環境と健康づくりを達成しましょう。
労働衛生管理の基本
労働衛生の三管理
作業環境管理 |
作業場所の照明、温度、騒音等の状態や有害物の気中濃度などを定期的に測定し、作業環境を適切な状態となるように管理します。
喫煙対策を含む快適な作業環境の形成を進めることも望まれます。
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作業管理 |
働くことによって生じる心身への影響を少なくするために、作業時間の管理、作業方法の改善、保護具の使用などを推進します。
さらに、ムリ・ムダ・ムラの無い、活動しやすい作業条件を整えることも望まれます。
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健康管理 |
健康診断、ストレスチェック等によって、心身の健康状態を継続的に把握し、個人の健康状態に応じて、運動や栄養、メンタルヘルスなどの保健指導等を行い、必要があれば就業上の配慮をします。
また、長時間労働者で疲労の蓄積が認められる人や高ストレスの人には、医師による面接指導を行います。
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労働衛生教育
労働が働く人の健康に与える影響や健康障害を予防するため、労働衛生の三管理の意義を理解し、働く人自身が進んで自分の健康を守ることができる能力を備えられるように繰り返し労働衛生教育を実施することが重要です。
労働衛生管理体制等
労働衛生管理体制 |
労働衛生管理を継続的、計画的に推進するために必要な総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医等を選任して、それぞれの職務を果たすことができる組織体制を整えます。
また衛生委員会等を定期的に開催して職場の意見を反映した対策を進めます。
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労働安全衛生 リスクアセスメント |
職場における危険・有害性等の健康障害要因の洗出しを行って評価し、取組課題を明確にします。
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労働安全衛生 マネジメントシステム |
職場における安全衛生活動の方針を定め、計画(P)、実施(D)、評価(C)、改善(A)を一定期間ごとに繰り返して安全衛生水準の向上に努めます。
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労働衛生管理体制
労働者数
| 管理者および体制
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100人以上 |
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50人以上 |
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50人未満 |
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健康診断
健康診断の意義
健康診断の意義は、一般健康診断と特殊健康診断では異なり、次のとおりです。
区分
| 健康診断の意義
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一般健康診断 |
- 労働者の健康状況の把握と必要な者に対する措置
- 労働の適正判断と必要な者についての業務の変更
- 作業関連疾患、特に脳・心臓疾患の予防と保健指導
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特殊健康診断 |
- 有害物質へのばく露の程度に関する情報の収集、健康障害リスクの未然発見
- 有害作業因子による健康障害(職業病)の早期発見と対処
- 健康診断結果に基づく作業環境、作業方法等の改善
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特殊健康診断では、有害物質や有害エネルギ-による健康障害の危険性(リスク)を、取り扱う労働者に周知(リスク・シェアリング)し、ばく露を少しでも小さくするための労働衛生教育が必要です。
健康診断結果の通知
労働安全衛生法第66条の6
労働安全衛生法に基づく健康診断の結果については、受診者に対する通知が事業者に義務づけられています。「異常なし」などの総合所見だけでなく、検査数値等を含みます。
じん肺健康診断については、法令様式 じん肺法施行規則様式第5号による通知が必要です。
健康診断結果に基づく事後措置
労働安全衛生法第66条の4
法定の健康診断(じん肺健康診断を除く)の結果、異常の所見があると診断された者については、その人の健康を保持するために必要な措置について、医師または歯科医師の意見を聴かなければなりません。
労働安全衛生法第66条の5
事業者は医師または歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じるほか、作業環境測定の実施、施設・設備の設置や整備、当該医師または歯科医師の意見の衛生委員会等への報告、その他の適切な措置を講じなければなりません。
健康診断そのものは手段に過ぎず、このような事後措置の実施が目的ですので、事後措置を行わない健康診断は意味がありません。
なお、じん肺健康診断の結果、異常の所見があると診断された場合、事業者は都道府県労働局長にじん肺管理区分の決定について申請することになります。
じん肺法第12条~16条
改正 平成29年4月14日 健康診断結果措置指針公示第9号
事業者の健康診断結果に基づく医師等からの意見の聴取、就業上の措置の決定、健康診断結果の通知、保健指導の実施については、「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」の内容に従い実施してください。
有所見者に対する保健指導
労働安全衛生法第66条の7
健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、保健指導を行うよう努めなければなりません。
作業関連疾患、特に脳、心臓疾患の予防のため、一般健康診断の結果、血圧、血中脂質、血糖等に所見が認められた労働者に対し、栄養指導、生活指導、運動指導等を内容とする保健指導を実施することは重要です。
結果の記録と保存
労働安全衛生法第66条の3
事業者は、法令に定められている健康診断項目について、結果を記録しておかなければなりません。この記録については、それぞれの規則により個人票の様式と保存年限が決められています。
一般健康診断、有機溶剤健康診断、鉛健康診断、特定化学物質健康診断(特別管理物質を除く)など法定特殊健康診断 |
5年間 |
じん肺健康診断 |
7年間 |
特別管理物質に係る特殊健康診断、電離放射線健康診断 |
30年間 |
石綿健康診断は石綿に係る業務の離脱日より |
40年間 |
労働基準監督署への報告
労働安全衛生法第100条
労働安全衛生規則52条
常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、一般定期健康診断、特定業務健康診断の結果について法令様式により、また酸等取扱い者の歯科健康診断の結果についても法令様式により所轄労働基準監督署に報告しなければなりません。
また、特殊健康診断については、受診者が一人でも法令様式により所轄労働基準監督署に報告しなければなりません。指導勧奨による健康診断についても同様です。
さらに、じん肺健康診断に関しては、常時粉じん作業に従事する労働者(過去従事者を含む)がいれば、じん肺健康診断の実施の有無を問わず、毎年じん肺健康管理実施状況報告書を法令様式により、所轄労働基準監督署を経由して、所轄都道府県労働局長に報告しなければなりません。
なお、所轄労働基準監督署に対する報告に関して、令和2年8月28日より、事業者、産業医の押印は廃止されました。
プライバシ-と個人情報の保護
プライバシーの保護
労働安全衛生法第105条
じん肺法第35条の4
健康診断、ストレスチェックおよび面接指導の実施の事務に従事した者には、その実施に関して知り得た秘密を守る義務があります。受診労働者のプライバシ-を守るために、次の事項が事業者に求められています。
➀ |
HIVや肝炎ウイルスなどの感染性疾病に関する情報、色覚検査などの遺伝情報は、特別に必要な職種以外は、労働者から取得しないこと。これらの検査は本人の承諾が得られていない場合は実施しないこと。 |
② |
個々の受診労働者の健康情報は、関係者に提供する情報の範囲を最小限とすること。 |
③ |
受診票送付時における過去の病歴などの健診データについては、関係者以外にみられないように配慮すること。 |
④ |
健康診断会場における受診者のプライバシー保護対策を実施すること。 |
個人情報の保護
受診労働者の健康情報の保護対策としては、上記の「プライバシ-の保護」対策の他に、次のようなことが事業者または実務に従事した者に義務付けられています。
➀ |
受診者には、あらかじめ健康診断結果を利用する目的の範囲を知らせること。 |
② |
健康診断結果は、原則として本人以外の第三者に提供してはならないこと。 |
③ |
健康診断結果は、関連データ等とともに法定の期間保存し、受診者から求められた場合には開示しなければならないこと。 |
なお、健康診断の結果のうち診断名、検査値等のいわゆる生データの取扱いについては、その利用に当たって医学的知識に基づく判断等を要することがあることから、産業医や保健師等の産業保健業務従事者に行わせることが望ましく、産業保健業務従事者以外の者に健康情報を取扱わせるときは、これらの者が取扱う健康情報が利用目的の達成に必要な範囲に限定されるよう、必要に応じて健康情報を適切に加工した上で提供する等の措置を講ずる必要があるとされています。
平成16年10月29日基発第1029009号
心身の状態に関する情報の適正な取扱い
健康診断結果、医師面接結果等の情報の取扱いについて、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱い指針」 平成30年9月7日公示第1号が公表されています。
指針は、事業者に対し、労働者の心身の状態の情報の取扱いに関する取扱規程を策定するよう求めています。
規程を定める目的は、労働者の心身の状態の情報が、労働者の健康確保措置の実施や事業者が負う民事上の安全配慮義務の履行の目的の範囲内で適正に使用され、事業者による労働者の健康確保措置が行われるようにするためです。
指針は、取扱規程に以下の事項を定めるべきであるとしています。
- ①心身の状態の情報を取り扱う目的及び取扱方法
- ②心身の状態の情報を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う心身の状態の情報の範囲
(個々の事業場における心身の状態の情報を取り扱う目的や取り扱う体制等の状況に応じて、部署や職種ごとに、その権限及び取り扱う心身の状態の情報の範囲等を定めることが適切)
- ③心身の状態の情報を取り扱う目的等の通知方法及び本人同意の取得方法
- ④心身の状態の情報の適正管理の方法
- ⑤心身の状態の情報の開示、訂正等及び使用停止等の方法
- ⑥心身の状態の情報の第三者提供の方法
- ⑦事業承継、組織変更に伴う心身の状態の情報の引継ぎに関する事項
- ⑧心身の状態の情報の取扱いに関する苦情の処理
- ⑨取扱規程の労働者への周知の方法
心身の状態の情報の取扱いを担当する者及びその権限並びに取り扱う心身の状態の情報の範囲等の事業場における取扱いの原則について、労働安全衛生法令及び心身の状態の情報の取扱いに関する規定がある関係法令の整理を踏まえて分類すると,下表のとおりとなります。
心身の状態の情報の分類
| 左欄の分類に該当する 心身の状態の情報の例
| 心身の状態の情報の取扱いの原則
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【心身の状態の情報の分類】
①労働安全衛生法令に基づき事業者が直接取り扱うこととされており、労働安全衛生法令に定める義務を履行するために、事業者が必ず取り扱わなければならない心身の状態の情報 |
【上欄の分類に該当する心身の状態の情報の例】
- 健康診断の受診・未受診の情報
- 長時間労働者による面接指導の申出の有無
- ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された者による面接指導の申出の有無
- 健康診断の事後措置について医師から聴取した意見
- 長時間労働者に対する面接指導の事後措置について医師から聴取した意見
- ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された者に対する面接指導の事後措置について医師から聴取した意見
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【心身の状態の情報の取扱いの原則】
全ての情報をその取扱いの目的の達成に必要な範囲を踏まえて、事業者等が取り扱う必要がある。
ただし、それらに付随する健康診断の結果等の心身の状態の情報については、②の取扱いの原則に従って取り扱う必要がある。 |
【心身の状態の情報の分類】
② 労働安全衛生法令に基づき事業者が労働者本人の同意を得ずに収集することが可能であるが、事業場ごとの取扱規程により事業者等の内部における適正な取扱いを定めて運用することが適当である心身の状態の情報 |
【上欄の分類に該当する心身の状態の情報の例】
- 健康診断の結果(法定の項目)
- 健康診断の再検査の結果(法定の項目と同一のものに限る)
- 長時間労働者に対する面接指導の結果
- ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された者に対する面接指導の結果
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【心身の状態の情報の取扱いの原則】
事業者等は、当該情報の取扱いの目的の達成に必要な範囲を踏まえて、取り扱うことが適切である。そのため、事業場の状況に応じて、
等、事業者等の内部における適切な取扱いを取扱規程に定め、また、当該取扱いの目的および方法等について労働者が十分に認識できるよう、丁寧な説明を行う等の当該取扱いに対する労働者の納得性を高める措置を講じた上で、取扱規程を運用する必要がある。
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【心身の状態の情報の分類】
③ 労働安全衛生法令において事業者が直接取り扱うことについて規定されていないため、あらかじめ労働者本人の同意を得ることが必要であり、事業場ごとの取扱規程により事業者等の内部における適正な取扱いを定めて運用することが必要である心身の状態の情報 |
【上欄の分類に該当する心身の状態の情報の例】
- 健康診断の結果(法定外項目)
- 保健指導の結果
- 健康診断の再検査の結果 (法定の項目と同一のものを除く)
- 健康診断の精密検査の結果
- 健康相談の結果
- がん検診の結果
- 職場復帰のための面接指導の結果
- 治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書
- 通院状況等疾病管理のための情報
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【心身の状態の情報の取扱いの原則】
個人情報の保護に関する法律に基づく適切な取扱いを確保するため、事業場ごとの取扱規程に則った対応を講じる必要がある。 |
長時間労働者に対する面接指導
面接指導の意義
労働安全衛生法第66条の8・9
面接指導は、長時間労働が過労死(脳血管疾患または虚血性心疾患)やうつ病等の精神障害の重要な要因となることから、医師による面接と保健指導を行うことによりこれらの予防に資することを目的に、事業者にその実施が義務づけられています。
また、面接指導の対象とならない労働者で健康への配慮が必要な者についても、事業場で定めた基準による面接指導に準ずる措置を行うよう努めるものとされています。
面接指導は、「過重労働による健康障害防止のための総合対策について 平成18年3月17日基発第0317008号」および「労働者の心の健康の保持増進のための指針 平成18年3月31日公示第3号」と相まって運用されています。
面接指導の手順等
項目
| 内容
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面接指導(義務)
| 面接指導に準ずる措置(努力義務)
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【項目】対象労働者 |
【内容:面接指導(義務)】
- 労働者(裁量労働制、管理監督者を含む)
休憩時間を除き、1週間当たり40時間を超えて労働させた超過時間が1月あたり80時間を超え、疲労の蓄積が認められ、面接を申し出た者
-
研究開発業務従事者
- ①休憩時間を除き、1週間当たり40時間を超えて労働させた超過時間が1月当たり80時間を超えた者
- ②休憩時間を除き、1週間当たり40時間を超えて労働させた超過時間が1月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められ、面接を申し出た者
- 高度プロフェッショナル制度利用者
1週間当たりの健康管理時間(事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間の合計)が40時間を超えた時間について月100時間を超えた者
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【内容:面接指導に準ずる措置(努力義務)】
- 労働者
(裁量労働制、管理監督者を含む)
事業者が自主的に定めた基準に該当する者
- 研究開発業務従事者
事業者が自主的に定めた基準に該当する者
-
高度プロフェッショナル制度利用者
左記以外で面接を申し出た者
高度プロフェッショナル制度利用者 上記以外で面接を申し出た者
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【項目】面接実施事項 |
【内容:面接指導(義務)】
問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行う。 【面接指導における確認事項】
- ①当該労働者の勤務の状況
- ②当該労働者の疲労の蓄積の状況
- ③当該労働者の心身の状況
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【内容:面接指導に準ずる措置(努力義務)】
左欄に準じる
上欄に準じる
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【項目】実施時期 |
【内容:面接指導(義務)】期日後、遅滞なく実施 |
【内容:面接指導に準ずる措置(努力義務)】
左欄に準じる
上欄に準じる
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【項目】面接指導記録の作成等 |
【内容:面接指導(義務)】面接指導結果の記録を作成して5年間保存しなければならない。 |
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【項目】事業者による労働時間の把握 |
【内容:面接指導(義務)】
事業者は、面接指導を実施するため、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
【労働時間の把握の方法】
- タイムカ-ドによる記録
- パ-ソナルコンピュ-タ等の使用時間の記録
- その他適切な方法
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【項目】労働時間の算定等 |
【内容:面接指導(義務)】40時間を超えて労働させた時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。
事業者は、労働時間の算定を行ったときは、速やかに、面接指導対象者に対し、当該超えた時間に関する情報を通知しなければならない。 |
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【項目】医師面接結果の聴取 |
【内容:面接指導(義務)】
面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康の保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後(他の医師による面接指導を受けたときはその結果を証明する書面を提出した後)、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。 |
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【項目】事業者の行う措置 |
【内容:面接指導(義務)】
医師の意見を勘案して必要があると認めるときは、次の措置を講じる。
- ①労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などを図る。
- ②医師の意見を衛生委員会などに報告し、必要な対策を実施する。
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【内容:面接指導に準ずる措置(努力義務)】
左欄に準じた必要な措置を講じるよう努めなければならない。
上欄に準じた必要な措置を講じるよう努めなければならない。
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【項目】産業医 |
【内容:面接指導(義務)】産業医は、面接指導の対象となる労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができる。 |
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【項目】労働者 |
【内容:面接指導(義務)】労働者は、事業者の行う面接指導を受けなければならない。(他の医師が行う面接指導の結果を証明する書面を提出したときを除く) |
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【項目】面接指導事務従事者 |
【内容:面接指導(義務)】面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。 |
【内容:面接指導に準ずる措置(努力義務)】健康情報を含む個人情報保護の観点から、個人情報の適切な取扱いを行わなければならない。 |
メンタルヘルス対策
職業生活において、強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者は約6割にのぼっています。働く人のメンタルヘルス対策がますます重要になっています。
事業場において適切な心の健康確保を図ることができるようにするため、「メンタルヘルス指針」が示されています。また、平成26年に労働安全衛生法が改正され、労働者の心理的負荷の程度を把握するための検査として、平成27年12月1日より、ストレスチェックが導入されています。
メンタルヘルスケアの基本的な考え方
- ①事業者がメンタルヘルス対策を積極的に取り組むという方針を表明する。
- ②心の健康づくり計画を策定する。
- ③メンタルヘルス対策を継続的かつ計画的に進める。
- ④具体的な事項として教育研修、情報提供、ストレスチェック、職場環境の改善、メンタルヘルス不調者への対応、職場復帰のための支援等を行う。
4つのメンタルヘルスケア
セルフケア |
労働者自身による
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ラインによるケア |
管理監督者による
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事業場内産業保健スタッフによるケア |
産業医、衛生管理者などによる
- 職場の実態の把握
- 教育研修
- 個別の指導・相談など
- ラインによるケアの支援
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事業場外資源によるケア |
事業場外資源による
- 直接サ-ビスの提供
- 支援サ-ビスの提供
- ネットワ-クへの参加
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職場復帰支援(5つのステップ)
心の健康問題により休業した労働者が円滑に職場復帰し、仕事を継続できるようにするため、事業者による支援が大切です。
事業者による職場復帰の支援が円滑に行われるようにするため、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示されています。
平成21年3月23日基安労発第0323001号
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第1ステップ
休業開始および休業中のケア |
- 労働者からの病気休業診断書提出
- 管理監督者による提出診断書の確認
- 管理監督者によるケアおよび事業場内産業保健スタッフ等によるケア
- 病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応
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第3ステップ
復職可否の判断および支援プランの作成 |
- 情報の収集および評価(主治医への情報提供書の依頼等)
- 復職可否の判断
- 職場復帰支援プランの作成
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第5ステップ
フォロ-アップ |
- 症状の再燃・再発等の有無の確認
- 職場復帰支援のプランの評価・見直し
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ストレスチェック
労働安全衛生法第66条の10
労働安全衛生法改正時の附則第4条
平成27年12月1日より、医師、保健師等による労働者の心理的負荷の程度を把握するための検査、すなわちストレスチェックが導入され、常時50人以上を使用する事業者にその実施が義務付けられています。
なお、常時使用する労働者数が50人未満の事業場は、当分の間、努力義務とされています。
また、ストレスチェックの結果の通知を受けた心理的負担程度の高い労働者からの申出があった場合には、医師による面接指導の実施が必要で、その結果、必要な者に対する事後措置が義務づけられています。
ストレスチェック、面接指導の実施に関しては、「心理的負担の程度を把握するための検査および面接指導の実施ならびに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」 が示されています。
改正: 平成30年8月22日 心理的負担の程度を把握するための検査等指針公示第3号
具体的な実施方法等については「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」が示されています。
ストレスチェックの要点
ストレスチェック |
実施義務と実施方法 |
- 事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期にストレスチェックを行なわなければなりません。
- 50人未満の事業場においては、当分の間、努力義務とされています。
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対象労働者 |
常時使用する全ての労働者。ただし、受検義務規定はありません。 |
実施者 |
- ストレスチェックを実施することができる者は次のとおりです。
- ①医師
- ②保健師
- ③厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士または公認心理師
- ④施行日の前日において労働者の健康管理等の業務に従事した経験年数が3年以上である看護師または精神保健福祉士
- ストレスチエックを受ける労働者について解雇、昇進または異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはなりません。
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内容 |
- 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
- 当該労働者の心理的負担による心身の自覚症状に関する項目
- 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
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ツ-ル |
- ストレスチェック指針
- 「ストレスチェック実施マニュアル」
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結果の通知 |
- 事業者はストレスチェックを受けた労働者に対し、当該ストレスチェックを行なった医師等から、遅滞なく、当該ストレスチェックの結果が通知されるようにしなければなりません。
- ストレスチェックを行なった医師等は、あらかじめ当該ストレスチェックを受けた労働者の同意を得ないで、当該ストレスチェックの結果を事業者に提供してはなりません。
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労働者の同意の取得 |
上欄の労働者の同意の取得は、書面または電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他、人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう)によらなければなりません。 |
結果の記録と保存 |
- 同意なしの場合
事業者は、ストレスチェックを行なった医師等による当該ストレスチェックの結果の記録の作成の事務および当該検査の実施の事務に従事した者による当該ストレスチェックの記録の保存の事務が適切に行なわれるよう、必要な措置を講じなければなりません。
- 同意ありの場合
事業者は、労働者の同意を得て、当該ストレスチェックを行なった医師等から当該労働者のストレスチェックの結果の提供を受けた場合には、当該ストレスチェックの結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければなりません。
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ストレスチェック結果の集団ごとの分析等 |
- 事業者は、当該ストレスチェックを行なった医師等に、当該ストレスチェックの結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について分析させるよう努めなければなりません。
- 事業者は、上欄の分析の結果を勘案し、その必要があると認めるときは、当該集団の労働者の実情を考慮して、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければなりません。
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面接指導 |
実施義務 |
事業者は、ストレスチェック受検後、結果通知を受けた労働者であって、一定の要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、遅滞なく医師による面接指導を行わなければなりません。 |
不利益取扱いの禁止 |
事業者は、労働者が面接指導の申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはなりません。 |
対象労働者の要件 |
面接指導を必要とする要件は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い者であって、面接指導を受ける必要があるとストレスチェックを行った医師等が認めたものとされています。 |
医師等による勧奨 |
ストレスチェックを行った医師等は、上欄の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができます。 |
確認事項 |
医師は、面接指導を行うに当たっては、申出を行った労働者に対し、「ストレスチェック」の「内容」の欄に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について確認を行うものとされています。
- ①当該労働者の勤務の状況
- ②当該労働者の心理的な負担の状況
- ③前号に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
|
ツ-ル |
「ストレスチェック実施マニュアル」 |
医師意見聴取 |
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導実施後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければなりません。 |
事後措置 |
事業者は、上欄の医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会もしくは安全衛生委員会または労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければなりません。 |
記録 |
事業者は、面接指導の結果の記録を作成し、これを5年間保存しなければなりません。
面接指導の結果の記録は、次の事項を記載する必要があります。
- ①実施年月日
- ②当該労働者の指名
- ③面接指導を行った医師の氏名
- ④当該労働者の勤務の状況
- ⑤当該労働者の心理的な負担の状況
- ⑥⑤に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
- ⑦医師の意見
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報告 |
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第6号の2)を所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。 |
守秘義務 |
ストレスチェックまたはその結果に基づく面接指導の実施事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはなりません。 |